社会福祉士を目指す

社会福祉士

社会福祉士を目指す

介護保険の勉強をするうちに業務で知識が生かされる場面が増えたことで、更に知識を深めるために社会福祉士の試験を受けることに決めた。

社会福祉士とはどんな資格なのか

社会福祉士とは、福祉の現場において支援を必要とする人の相談にのることが主な仕事。利用できるサービスを紹介するなどして、相談者が安心して日常生活を送れるようにアドバイスします。

社会福祉士は、介護福祉士・精神保健福祉士と並ぶ社会福祉専門職の国家資格の1つで、福祉の相談援助に関する高度な専門知識・技術を有し、福祉や医療の相談援助の場において重要な役割を担っています。

介護福祉士との違いを知ろう

介護福祉士は高齢者や障害者の日常生活を支援する専門職です。主な仕事は、食事、入浴、排泄などの介助や、リハビリテーションの補助などです。

一方で社会福祉士は相談援助の専門職。介護と言えば介護福祉士の知名度が高い気がしますが、その違いを理解するために介護福祉士の主な業務を簡単に説明します。

身体介護

①食事の介助

食事をとるのが難しい方に対して、食事の準備や口に運ぶサポートを行います。

②入浴の介助

自宅や施設で入浴を行う際に、安全に入浴できるようにサポートします。洗髪や体を洗う手助けも含まれます。

③排泄の介助

トイレへの誘導やオムツ交換など、排泄に関するサポートを行います。

④移動の介助

ベッドから車椅子への移動や、車椅子からトイレへの移動など、移動が難しい方のサポートを行います。

⑤更衣の介助

着替えが難しい方のために、服の脱ぎ着を手伝います。

⑥体位変換の介助

長時間同じ姿勢でいることによる褥瘡(床ずれ)を防ぐために、体位を変えるサポートを行います。

生活援助

①掃除

利用者の居室や共用スペースの掃除を行い、清潔な環境を保ちます。

②洗濯

衣類やリネンの洗濯、乾燥、アイロンがけ、収納などを手伝います。

③買い物

日用品や食料品の買い出しを代行したり、利用者と一緒に買い物に行ってサポートします。

④調理

利用者の食事を準備し、栄養バランスや嗜好に合わせた食事を作ります。

⑤ゴミ出し

ゴミの分別や収集日の管理、実際のゴミ出しを行います。

⑥整理整頓

日用品や食材の整理整頓を手伝い、生活空間を使いやすく保ちます。

リハビリテーション支援

①基本動作の練習

起き上がり、立ち上がり、歩行などの基本的な動作を繰り返し練習します。

②運動機能の維持・向上

筋力トレーニングやストレッチ、関節の可動域を広げる運動を行います。

③日常生活動作訓練

食事、着替え、入浴、排泄などの日常生活に必要な動作を練習し、自立を目指します。

④認知機能の維持・向上

認知機能の低下を防ぐために、簡単な計算やパズル、記憶訓練などの頭の体操を行います。

⑤介護予防

介護が必要になる前に、体力や運動能力を維持するための予防的な運動や活動を提供します。

大まかに言えば上記のような業務が主になってきます。介護現場で活躍するのが介護福祉士。介護など福祉について相談援助を行うのが社会福祉士ということになります。

介護福祉士は利用者の生活のお世話をしますが、それ故に家族やご利用者本人、そしてケアマネに対し、助言等を行うこともあります。

利用者への助言・指導

①日常生活のアドバイス

食事、入浴、排泄、着替えなどの日常生活動作をスムーズに行うための具体的な方法や工夫を提案します。また生活リズムや健康管理のアドバイスを行います。

②リハビリや運動の指導

自宅でできる簡単なリハビリや運動方法を教え、実践をサポートします。それと筋力維持や関節の可動域を広げるためのエクササイズを指導します。

③安全対策の助言

転倒や怪我を防ぐための住環境の改善点を提案します(例:手すりの設置、滑り止めの利用など)。

福祉用具や介護機器の正しい使い方を教えます。

④認知機能の維持

認知症予防のための頭の体操やコミュニケーション方法を提案します。

家族への助言・指導

①介護技術の指導

家族が行う介護の具体的な方法やテクニックを教えます(例:移乗介助の方法、体位変換の仕方など)。介護に必要な福祉用具や機器の選び方、使い方を説明します。

②介護ストレスの軽減

介護によるストレスや疲れを軽減するためのリラクゼーション方法や休息の取り方を提案します。地域の介護サービスやサポート団体の情報を提供し、外部支援の利用を勧めます。

③健康管理のアドバイス

介護を行う家族自身の健康管理の重要性を伝え、適切な栄養や休息の取り方を教えます。

④介護計画の作成と見直し

利用者の状態や家族の状況に応じた介護計画を一緒に作成し、定期的に見直して改善点を提案します。

⑤コミュニケーションの工夫

利用者との円滑なコミュニケーション方法を指導し、介護がスムーズに進むようにサポートします。

⑥具体的アドバイスの例

ある利用者が自宅で転倒しやすい場合、介護福祉士は家族に対して次のような助言を行います。

・家の中の段差を無くす工夫や、手すりを設置する場所を提案。

・滑りにくいマットの使用や、家具の配置を見直すアドバイス。

また、介護が初めての家族に対しては、利用者の体を支える方法や、腰痛を防ぐための正しい介護姿勢を実演しながら教えます。

社会福祉士の業務

社会福祉士の業務は、社会的に困難を抱える人々を支援するための多岐にわたる活動を含んでいます。

先に介護福祉士の業務を見てみましたが、社会福祉士の業務と役割を見てみたいと思います。

社会福祉士の業務内容

①相談援助

個別相談を通じて、利用者の抱える問題やニーズを把握し、解決策を一緒に考えます。

カウンセリングやケースワークを行い、心理的・社会的な支援を提供します。

②福祉サービスの提供と調整

利用者が必要とする福祉サービスを利用できるように、情報提供や手続きをサポートします。

各種福祉サービスや制度(介護保険、生活保護、障害者手帳など)の利用を調整し、必要な支援をつなぎます。

③社会資源の調整

地域の社会資源(医療機関、介護施設、ボランティア団体など)を活用し、利用者が適切な支援を受けられるように調整します。

利用者のニーズに合った支援機関やサービスを紹介します。

④生活支援

経済的困難を抱える利用者に対して、生活保護や緊急支援の手続きをサポートします。

住居の確保や就労支援など、生活基盤の安定を図るための支援を行います。

⑤権利擁護

利用者の権利を守るため、虐待や差別からの保護、法的支援を行います。

成年後見制度の利用支援や、権利に関する情報提供を行います。

⑥地域福祉の推進

地域社会との連携を図り、地域福祉の向上を目指した活動やイベントの企画・運営を行います。

地域の福祉ニーズを把握し、地域住民と協力して解決策を講じます。

⑦教育・啓発活動

福祉に関する知識や情報を広めるための講習会やセミナーを開催します。

地域住民や関係者に対して、福祉の重要性やサービス内容についての啓発活動を行います。

 

概ね①~⑦のような業務になります。専門用語もあるのでもう少し事例を含めて説明すると。

社会福祉士の業務の具体例

①ホームレス支援

路上生活者の相談を受け、生活保護の申請手続きをサポートし、適切な住居を見つける支援を行います。

就労支援や社会復帰プログラムを提供し、自立を支援します。

②児童福祉

虐待を受けた子どもやその家庭の相談を受け、必要な保護や支援を調整します。

子どもの福祉施設や養護施設と連携し、適切な保護環境を提供します。

③高齢者福祉

高齢者やその家族の相談を受け、介護サービスの利用や介護保険の申請手続きをサポートします。

デイサービスや訪問介護などの介護サービスを調整し、在宅生活を支援します。

④障害者福祉

障害者の就労支援や自立支援を行い、必要なサービスや制度の利用を調整します。

障害者手帳の申請手続きや福祉サービスの利用に関する情報提供を行います。

社会福祉士は、これらの業務を通じて利用者の生活を支え、社会全体の福祉向上を目指しています。各個人の状況やニーズに合わせた支援を提供し、より良い生活環境を作るための重要な役割を担っています。

介護福祉士と社会福祉士の役割の違いをまとめる

①役割の違い

介護福祉士は、主に身体介護や生活支援を担当。

社会福祉士は、相談援助や福祉サービスの調整を担当。

②業務内容の違い

介護福祉士は具体的な身体介護やリハビリ支援。

社会福祉士は相談援助や社会資源の調整といった支援。

このように、介護福祉士と社会福祉士は福祉分野で補完し合いながらも、それぞれ異なる専門性を持って働いています。

 

 

 

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